変化

変化

2019.07.16

先日、20年以上お世話になっている犬業界の大先輩とランチをした。

その際に出た話はいかにも今の時代らしい話だった。

犬の爪を切り過ぎると血が出る理由をご存知ない飼い主さんが多い。爪を切らないでいて少し伸び過ぎると爪の中にある血管まで一緒に伸びてしまうから、早め早めに切ってあげないといけない。短く切りたい場合は当然出血し、痛みも伴う。

出血させたくない、または痛みがあるから可愛そう、となれば伸びた爪の先っぽしか切ることは出来ない。

私はトリマースクールに通っていた。伸び過ぎた爪を切ると出血してしまうが、多少は仕方がない。ちゃんと止血剤も用意してある。

ニューヨークのグルーミングスクールでも日本のスクールでも同じ事を教わった。

動物看護師の専門学校でも教わるだろうし、とりあえず犬に関わる仕事をしていれば誰もが経験しているはず。

ひと昔前までは、普通の事だった。

ところが今、信じられない事態になっているそうだ。

爪から出血したくらいで病院に行き薬を貰う。そして怪我をさせたと騒ぎ、病院代金を請求する。更にはあちこちで怪我をさせられたと言って回る。

ドクターもちゃんと説明してくれたら良いのに、来た患者にはとりあえず何かやらないと帰せない為か、薬を処方。

なんて時代なんだろう?過保護にも程がある。確かに深爪は犬だって痛い。

だから正直、うちも亡くなったセレネやイリスの爪は先っぽだけ切る。

早目に切るんですよ!伸び切ってしまったら多少は出血してしまう。

それから日頃から良く歩き、自然に爪が削れるように気を配っている。

私だって犬が好きだ。痛がる姿を見たくない。でも爪が伸び切っていて黒い爪だと血管が見えないから出血する可能性はそれだけ高い。

大先輩のお店でも、とんでもないクレーマーがいるので、とにかくトリミングの際は気を使うと言っていた。

犬は1万年も前から人間に改良されてそれぞれの犬種の個性はあるけれど、犬の本質は変わらない。

たった数年、数十年で変わったのは人間の方なのだろう。どんなに可愛くても犬は犬。擬人化してしまう人間の多さにタメ息しか出ない。


PAGETOP
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。